研究課題/領域番号 |
18300168
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
三輪 全三 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (30157705)
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研究分担者 |
井川 資英 東北大学, 医歯学総合病院, 助手 (80176065)
高谷 節雄 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40154786)
大内 克洋 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (20322084)
高木 裕三 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30124697)
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キーワード | 透過型光電脈波法 / 発光ダイオード / 歯髄血流測定 / 非侵襲的診断装置 / 酸素飽和度 / 歯髄診断器 |
研究概要 |
本研究の目的は、現在歯科臨床で使用されている電気刺激法やレーザードプラー法とは異なり、発光ダイオード(LED)とフォトダイオード(PD)を使用した透過型光電脈波法(Transmitted-Light Plethysmography; TLP)により、非侵襲的・客観的に歯髄の血流量、Hb濃度さらに酸素飽和度(SO2)を測定でき、これにより歯髄の生死だけでなく病態まで診断できるような全く新しい歯髄診断装置(硬組織内血流測定装置)の開発を試み臨床応用することであり、初年度(平成18年度)は467nm(青)、506nm(青緑)、522nm(緑)、810nm(近赤外)の多波長のLEDを組み込んだ光電脈波測定装置を設計・試作し、ヒト抜去歯を用いて各波長のLEDの歯髄血液および歯質における吸収・散乱による透過光の減衰度(Optical Density: OD)を調べ、ヒトの歯髄脈波振幅の変動に影響する因子について検索した。 本試作器の特徴は、上記4波長のLEDを同時に時間差を持って発光させ、LED-オフタイムの光検出器出力信号をサンプリングし減算する回路とすることで、明室においても背景ノイズ(主に50Hzの室内灯の影響)を排除し、LEDからの透過光のみを検出可能としている。測定歯を唇舌的に挟めるよう径2mmの石英ファイバー束をL字型に加工し、測定用個歯アダプターに誘導している。この装置を使用した新技術は、イノベーションジャパン2006および産官学技術交流フェア2006にて展示し紹介した。臨床的ニーズとしては、臼歯も含めて歯髄の生死を判定できる臨床用歯髄脈波測定装置の開発が急務であり、最も観察しやすい522nm単波長のLEDを基本とした試作器を現在検討中である。2つの等吸収波長のLEDを用いて血液を満たしたヒト抜去歯を測定した結果、歯髄血液を定量測定できる可能性が示唆されたため、「歯髄腔内血液測定方法、装置及び歯髄腔内血液測定用アダプタ」の名称で2006年6月にPCT特許出願を行った。
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