研究課題/領域番号 |
18300169
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
土井田 稔 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (60237170)
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研究分担者 |
西田 康太郎 神戸大学, 医学研究科, 助教 (00379372)
前野 耕一郎 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (70403269)
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キーワード | 椎間板変性 / 遺伝予治療 / RNA干渉 / 超音波 / 再生医療 / 蛋白分解酵素 / Fas-Ligand |
研究概要 |
腰椎椎間板の変性過程を解明することにより、治療遺伝子を用いた新たな腰痛治療法について研究を行ってきた。昨年度までの成果により椎間板の圧迫による変性モデルを作成し、椎間板の変性過程において、椎間板での蛋白及びmRNAレベルでのMMP-3の経時的な進行性の発現上昇が確認された。また、他のMMP群及びADAMST群でも発現上昇が確認され、同化遺伝子群に比べ異化遺伝子群が上昇する不均衡が経時的に増大することが判明した。以上のことから異化遺伝子の発現上昇が椎間板変性の問題であることが明らかになり、この成果は英語論文(J Orthop Res, in press)において発表する予定である。siRNAにより異化遺伝子を導入することにより変性を抑制する方法については現在研究である。本年度は長寿因子Sirtl(sirtuin-1)が髄核細胞内にも発現していることを初めて報告した。年齢の増加とSirtl発現量に有意な相関が認められ、変性度の高い椎間板ではSirtlの発現量が多く、これを添加することにより低栄養、低酸素条件下で髄核細胞の細胞活性が上昇したことから、変性している椎間板においてSirtlが有益な作用を及ぼしていることを見出し報告した。siRNAの導入により椎間板変性を抑制し、Sirtlの刺激により細胞活性を上昇させることにより変性椎間板再生による最小侵襲での腰痛治療が可能になると考えられる。
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