(1) 椎間板への遺伝子導入 本研究では、臨床応用可能なより安全で効率の高い遺伝子導入法の開発を行い、その手法を応用して治療遺伝子を椎間板内に導入することにより変性椎間板を再生させることである。そのために超音波コントラスト法による椎間板への遺伝子導入法を応用する。この方法を用いれば、安全かつ簡便に椎間板内への治療遺伝子の導入が可能になりうる。さらにRNA干渉法と呼ばれる新しい手法を椎間板に応用し、椎間板の変性に関連する負の要素(遺伝子発現)をブロックすることにより、効率よく椎間板の再生を促進させることを目的とする。 (2) 椎間板変性モデルの作成 臨床応用を見据え、椎間板変性疾患モデルを作成し、遺伝子導入後の変性椎間板組織の再生をMRI により客観的に評価する。 (3) 低侵襲治療システムの構築 椎間板変性モデルを用いて、異化遺伝子の発現を抑制するsiRNAと椎間板の基質を合成する遺伝子を導入し、変性椎間板の再生を客観的に確認する。これらの結果を総合して、安全で長期的に最も有効となりうる低侵襲腰痛治療法を開発する。
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