研究概要 |
1.新しい超音波照射システムの導入 培養細胞に超音波照射を均等に行うことが可能なシステムを導入した。このシステムの導入により、シャーレ全体に均等かつ一定時間の超音波照射が可能となった。 2.超音波エネルギーと血管内皮細胞における細胞接着因子発現 「目的」 培養したヒト血管内皮細胞を用いて、超音波照射が血管内皮細胞における細胞接着因子の発現に及ぼす影響について明らかにする。 「対象および方法」 疾患モデル(細胞接着因子の過剰発現)は、培養液中にTNF-αを添加することにより作成した。 この疾患モデルに対して様々な条件(0mV, 30mV, 60mV, 80mV,パルス波、超音波造影剤ソナゾイド添加の有無)での超音波エネルギーを照射し、細胞接着因子の発現量について検討を行った。 細胞接着因子の発現量の評価にはフローサイトメトリーを用いた。 「結果」 細胞接着因子の発現量は30mVで照射した場合、若干の減少を認めたが、統計学的な有意差は得られていない。 細胞接着因子の発現に対して超音波造影剤ソナゾイドが及ぼす明らかな影響は認められなかった。 同様の条件で引き続き検討数を増やし、免疫染色法を用いた形態学的検討を加えていく予定である。さらに連続波を用いて同様のパワーでの検討を行う予定である。 また、既存の超音波照射治療装置(セーフス)を用いた同様の実験を予定している。
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