研究課題/領域番号 |
18300179
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研究機関 | 国立長寿医療センター(研究所) |
研究代表者 |
中井 敏晴 国立長寿医療センター, (研究所)・長寿医療工学研究部, 室長 (30344170)
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研究分担者 |
松尾 香弥子 国立長寿医療センター, (研究所)・長寿医療工学研究部, 流動研究員 (70399509)
岩木 直 (独)産業技術総合研究所, 人間福祉医工学部門, 主任研究員 (70356525)
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キーワード | 検査・診断システム / fMRI / 計算グリッド / リアルタイム解析 |
研究概要 |
並列計算用ミドルウェアであるSCoreを用いて、脳活動の時間情報を可視化する4次元fMRIの基本プログラムである「動態解析モジュール」を作成した。我々がこれまでに開発した一般線型モデルに基づいた脳機能マップの高速計算アルゴリズムを用いて、リアルタイム(2.8GHz、16CPUの並列計算機によって1秒以内)に動態機能マップを更新できることを実証した。常に一定の観測窓からt値を求めるsliding window解析の機能を動態解析モジュールに組みこんだ。その結果、収集されたデータ全体を使用するincremental解析よりも、sliding window解析の方が高精度で動態解析が行えることを確認した(論文投稿中)。また、課題の試行条件を変えながら得た動態曲線の相関を評定し、それぞれの脳領域の活動の相関性が推定できることを高次視覚野(J Neurosci Methodsに発表)や運動野の活動の分析から確認した。この方法は、脳機能ネットワークの応答をモデル化する方法として応用が期待される。このように、4次元fMRIは、課題遂行中の行動データや生理学的指標(脳波など)との相関がより鋭敏に判定できるだけでなく、その時間的変動が持つ生理学的意義を解明する上でも有力な手段になると考えられる。 統計的に有意の脳活動と判定されるピクセルの総数の変動を手掛かりとして、人体頭部の微妙な動き(体動)からデータの不良部分を検出する基本プログラムモジュールを作成し、実測データを用いて有効性を検証した。その結果、鋼体モデルによる体動補正のみでは体動の影響は十分除去出来ず、本法の有用性が期待された。現在、データの不良部分の自動的な推定を行う方法を検討中である。以上の研究内容と関連テーマの成果は、平成18年度中に英文誌3本、国際会議での発表10件、邦文解説2本、国内学会発表7件等において発表された。
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