研究概要 |
平成17年度末に国リハ研究所で導入したLOKOMATがすでに稼動できる状態にあり,科研費補助金の採用決定と同時に,研究をスタートすることができた.導入されたLOKOMATでは,欧米人の体型にあわせた設計であるために,特に日本人の障害を持った高齢者の身体的特性が仕様から外れていた.日本人仕様にするために,開発元であるスイス・HOCOMA社のCEOであるGery Colombo氏とミーティングを重ね,その対策を検討した.その結果,現在開発中である小児障害者用のデバイスを日本人用に適用できるのではないかということになり,今後,2007年中に完成予定の小児用デバイスを導入することを目指すこととなった.また,日本人用ソフトウェアの開発のため,HOCOMA社からグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)部分のソフトウェア提供の協力を得ることができたので,それをもとにGUIの改良に着手した.並行して,足関節スティフネスの調節機構および反射計測装置の開発を進めている.平成16年度から研究代表者が予備研究をスイス・バルグリスト脊損センター研究所で行ってきたので,その基礎データをもとに,日本で使用できる計測デバイスを設計,開発を進めている.H18年度でハードウェアの部分が完成したので,今後,制御系の開発およびソフトウェアの開発に着手する.生理学的な訓練理論から,アキレス腱にかかる張力の求心性入力が最も脊髄中枢への入力刺激に重要だと提唱されており,その調節機構を開発することによって,より効率的な訓練システムにできると考えられる.また,アキレス腱にかかる張力を簡便に計測できる方法を開発することを検討しており(H19年度科研費補助金萌芽研究に申請中),足関節トルクを簡便に計測し,そのデバイスを訓練システムに組み込むことを目指す.
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