研究概要 |
高齢者を突然襲う脳血管障害, 交通事故等による骨折, 健康増進でのスポーツ活動等で関節運動障害を抱えてしまう人たちが増えている現代社会では, いつでもどこでも患者自身が手軽に医師や理学・作業療法士の指導のもとで客観的なEBM(Evidence-BasedMedicine)の運動機能治療を行えるポータブルな関節可動域訓練システムに対する期待は大きい.しかし, 現状では, 単純な機構の可動域訓練装置はいくつか存在するが, ヒトの関節でみられる柔らかな動きや身体への装着性を十分に考慮した生体適合性に優れるデバイスは残念ながらない. そこで, 私たちは生活環境や生体機能との調和を考慮した新しい関節可動域訓練システムを実現するために, ロボット等の機械とは異なるヒト特有の関節運動に伴う冗長性・柔軟性・可塑性などを生体工学や臨床運動学の立場から多角的に調べ, そこで得られた知見に基づき運動リハビリ向けのアクチュエータを水素吸蔵合金などの新素材を利用して設計し, 次世代の関節リハビリの在り方について学際的な医工連携の研究体制のなかで探る総合的な生体工学研究を行う.
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