研究課題/領域番号 |
18300193
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
森本 一成 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00127169)
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研究分担者 |
垰田 和史 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90236175)
北原 照代 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (20293821)
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キーワード | 手話翻訳 / 手話アニメーション / 手話通訳者 / 立体視 / 受療拒否 |
研究概要 |
医療現場ではコミュニケーション障害が原因と見られる聴覚障害者の受療拒否問題がある。この受療拒否を低減するための手話アニメーションを用いた対話システムの構築を目的として、レントゲン検査における手話アニメーション指示システムの検討を行った。今年度は聴覚障害者にわかりやすい手話画像提示のために3次元表示条件と、聴覚障害者側と医師あるいは技師側との間の手話アニメーション情報の伝達方法について検討した。また、実際の医療現場で使用する対話システムのための着目点を調査により明らかにした。まず、開発中の2次元表示手話アニメーションにおける奥行き方向の動作のわかりにくさを解決するために、3次元表示アニメーションを生成し、その条件について聴覚障害者は30名による評価実験を行なった結果、最適表示条件は手話単語の奥行き方向の移動量により異なることが示された。また、奥行き情報の付加だけではわかり易さの向上の困難な単語のあることを明らかにした。次に、コミュニケーションツールとして技師側のコンソール端末に提示した手話アニメーション提示用画面で指示文を入力(一部は選択)すると、聴覚障害者側の画面へ手話アニメーションを提示するシステムのための画面設計を行い、そのユーザビリティ評価を聴覚障害者に対して行った。その結果、この方法の利用性の高いことを確認した。実用化のためには手話アニメーションの改善が必要なことも明らかになった。さらに、医療の場での対話システムを検討するために、某診療所の外来に通院する聴覚障害者の診察時の会話を記録し、それを分析した結果、医師の発言は大きく10項目に分類でき、そのうちの4項目の対話は定型化できることがわかった。また、患者の病状把握のための会話や、診察・検査結果の説明などにおける手話アニメーションによる支援導入が重要なことも明らかになった。
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