研究概要 |
本年度は,大学生,大学院生,及び現職教員を対象とした研究及び情報収集を行った。 大学生について,バレーボールの修正されたゲームづくりを核とした模擬授業の計画づくり乳並びに実際の模擬授業の展開状況について検討した。大学院生について,仲間学習と戦術学習モデルを適用した模擬授業を実施した。その際,模擬授業実施者の教師行動と学習者行動をビデオで撮影し,その映像を踏まえた教師行動と学習者行動の課題を全体の前で確認する過程を組み入れ,受講者の行動の変容について検討する方法論について試行した。以上のいずれにおいても,受講者の教科内容に関連した知識を学習者の行動変容に結びつけることを促すこと,並びに学習者の行動変容を促すために設定した学習指導方略を学習者の示す学習成果と具体的に関連させて省察させていく必要性が示唆された。 現職教員について,昨年度公表した小学校におけるボール運動に関する体育授業プログラムを実施した群馬県下の31公立小学校のデータから,当該プログラムは,おおよそ児童の学習成果を高めることが明らかにされた。そのことから,そのプログラムは,教師の指導力量を高め,教師の学習者理解を促すことが示唆された。 以上から,次年度以降,個々の学習者の学習者行動を省察させることによるプログラム開発を一層進めること,小学校におけるボール運動に関する体育授業プログラムを教員養成段階における教師教育プログラムとして開発することとした。 なお,授業における学習者行動を客観的に観察し分析する視点からのプログラム開発については個々の学習者の学習者行動を省察させる観点からのプログラム開発が有効であると推察されること,並びにWEB形式で活用するためのシステム構築については学習者行動として収集した児童、生徒の映像についての肖像権の問題及びサーバーのセキュリティの問題があることから,今後対応を検討することとした。
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