研究概要 |
本研究の目的は, 学習者理解を促すための体育教師教育プログラムを開発することである. 具体的には, (1)学習者理解を促す体育教師教育プログラムを開発すること, (2)学習者理解を促す体育教師教育プログラムの効果を実証的に検証すること, である. (1) 第一に, 学習者を主観的に省察し分析する視点からプログラム開発を継続して行っている. 大学並びに大学院に在籍している学生を対象に, 学習者理解が学習計画並びに教授行為の変容の可能性に与える影響について検討している. 特に, 授業に対する省察が学習者理解を促す可能性とその理解度を高めるための指導方略について検討している. そのため, 昨年度は, 教育実習前の大学生並びに教育実習生を対象に, 変容の可能性を模索した. その結果, 学習者を想定した学習計画や教授行為の変容を促すには, まずは, 教科内容に関する知識を一定程度習得しておく必要性が示唆された. (2) 第二に、学習成果を高める授業プログラムを開発し, そのプログラムの実施を通して, 大学院生が学習者の理解を促すかどうかを検討している. 一昨年度公表した小学校におけるボール運動に関する体育授業プログラムを, 教員養成課程における教職科目である体育科指導法で実施できる授業プログラムとして試作し, その授業プログラムを大学生が対象である体育科指導法で実施した. 次に, 大学院生に試作した授業プログラムを提供し, 指導しやすいように大学院生に修正させ, 同種の授業で実施させた. そして, 大学院生の学習者の理解が促すことができるかどうかを検討している.
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