研究課題/領域番号 |
18300203
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西田 保 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (60126886)
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研究分担者 |
伊藤 豊彦 島根大学, 教育学部, 教授 (20144686)
磯貝 浩久 九州工業大学, 情報工学部, 准教授 (70223055)
佐々木 万丈 仙台電波工業高等専門学校, 総合科学科, 教授 (40280333)
渋倉 崇行 県立新潟女子短期大学, 幼児教育学科, 講師 (30288253)
杉山 佳生 九州大学, 健康科学センター, 准教授 (50284922)
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キーワード | 体育学習 / 生きる力 / 学習意欲 / ストレス / ライフスキル |
研究概要 |
本研究は、体育学習を通した生きる力の育成に関して3つの視点からアプローチするものである。平成19年度の研究実績の概要は、以下のように要約される。 <学習意欲> 平成18年度に検討した体育授業における学習意欲の喚起の理論的枠組(動機づけ雰囲気→学習意欲→行動・適応)に基づいて実証的な研究を行った。動機づけ雰囲気を評価するために、学習志向的雰囲気と成績志向的雰囲気を基軸とする尺度を作成した。その尺度を用いて小学生と中学生を対象に調査を行い、動機づけ雰囲気が学習意欲に影響を及ぼし学習意欲が行動や適応に影響することを明らかにした。影響の仕方は、学年や性別により異なっていた。 <ストレス適応> 平成18年度に提唱した体育授業におけるストレス適応モデルが、実際に児童生徒のストレス低減過程の説明に適用できるかどうかを、授業実践を通して検討した。特に友人関係のストレス場面に着目し、ストレス反応の低減と体育授業適応感の向上に結びつくような認知行動的側面への介入指導を、中学生の体育授業を対象に計画し実践した。介入後は生徒の友人ストレスレベルが低下し、体育授業に対する肯定的認識と楽しさの主観的評価が向上したことから、モデルに基づく介入は概ね有効であると考えられた。 <ライフスキル> 体育授業を通してのライフスキル教育の可能性を探るため、国外調査情報の整理、文献研究、授業介入研究を行った。国外調査情報の整理では、前年度ニュージーランドで行われたインタビューの記録を逐語化してまとめるとともに、ニュージーランド教育省の資料を翻訳した。文献研究では、小中高等学校で行われる体育授業を通したライフスキル教育の現状と展望について論じた論文を発表した。さらに、小中学校の体育の授業を通してライフスキルを高めることを目的とした介入調査研究を行い、介入が授業における心理社会的スキルの般化に及ぼす効果を検証した。
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