研究課題/領域番号 |
18300208
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中込 四郎 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40113675)
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研究分担者 |
中島 登代子 浜松大学, 健康プロデュース学部, 教授 (60325818)
鈴木 壯 岐阜大学, 教育学部, 教授 (00115411)
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キーワード | 臨床スポーツ心理学 / 事例研究 / 「コツ」獲得 / 投影法 / 心理サポート / 臨床心理身体運動学 |
研究概要 |
本年度は以下の課題に取り組んだ。 1)相談事例の検討:本研究組織を構成する3名がそれぞれの臨床現場で関わった相談事例を提示し、定期的に事例検討会を行った。そこでの研究成果の一つとして、第11回臨床心理身体運動学会大会にて事例報告を行った。またさらに、手元にある終結した相談事例を「自己形成」といった視点から分析検討し、学会誌への投稿準備中である。2)競技ヒストリーにおける「コツ」獲得の意味の検討:元オリンピック選手を対象に面接調査を行った。前年度の資料も加え、2009年6月開催の第12回国際スポーツ心理学会大会(モロッコ)にて発表予定であり、現在準備中である。3)投影法テストを通したアスリートの心性;大学アスリートを対象者としてバウムテストならびにロールシャッハテストを実施し、特徴を探った。前者からは、アスリートは非アスリートと比較して、バウムの幹先端処理「開放型」の「冠漏洩型」が有意に多いことを認めた。また後者では、一般学生と比べて、アスリートの方が確固な自我境界を特徴としていることを明らかにした。これらの結果に基づき、競技心性について論じた。4)研究成果の公表:本研究課題である「臨床スポーツ心理学の構築」と関連した内容から、次の3つのシンポジウムを開催した。(1)たましいの科学を語る(浜松大学総合研究所・心理臨床部門公開シンポジウム)、(2)心理臨床の現場から身体を再考する(第27回日本心理臨床学会大会)。(3)「育てる人」を育てる(第11回日本臨床心理身体運動学会)。また、昨年度までの研究成果を学会誌等に投稿し、発表した。5)事典の編集・出版:年度課題として当初計画していなかったが、日本スポーツ心理学会主導による「スポーツ心理学事典」の編纂の企画が立ち上がり、本研究代表者並びに研究分担者は「スポーツ臨床」の領域を担当した。大項目・7個そして中項目・50個を設定し、臨床スポーツ心理学の方法・対象・資格等について、国内の相応しい執筆者に分担していただき、上梓した。
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