研究課題/領域番号 |
18300208
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中込 四郎 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40113675)
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研究分担者 |
中島 登代子 浜松大学, 健康プロデュース学部, 教授 (60325818)
鈴木 壮 岐阜大学, 教育学部, 教授 (00115411)
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キーワード | 臨床スポーツ心理学 / 研究方法 / 研究対象 / スポーツカウンセラー / 資格 / 養成 |
研究概要 |
本年度は研究計画の最終年度にあたり、これまでに発表してきた研究成果を「研究方法」「研究対象」「スポーツカウンセラーの資格・養成」といった3つの柱立てにしたがって、報告書の作成を行った(A4版、303ページ)。特に、本研究成果のまとめとして、「臨床スポーツ心理学の方法と展開」と題した論文を執筆した(未発表)。本論文での主な主張点ならびに概要は次のとおりである。これまでの研究における"客観化"や"一般化"の強調が、実践現場あるいは問題事象の"現実"からの乖離を引き起こす原因の一つと考えた。臨床スポーツ心理学(clinical sport psychology)は,その問題に答える領域となり得ると位置づけた。臨床スポーツ心理学における研究方法として、次の4つの側面から特徴づけた。それは、(1)「方法中心」から「問題中心」へ、(2)関係性、(3)個の尊重(事例研究)、(4)「語れないもの」を語る(身体性)であった。さらに、その中の事例研究に関しては妥当性ならびに普遍性について、また、身体性では、「身体」を研究対象とすることの有効性について論じた。臨床スポーツ心理学の構築は、既存のスポーツ心理学の細分化というよりも、スポーツ心理学、運動学、スポーツ教育学、コーチング学、スポーツ医学等を中心とする横断的な領域となり得る可能性を秘めていると主張した。 また本年度は、本研究組織を構成した3名が深く関わってきた日本臨床心理身体運動学会が認定する「認定スポーツカウンセラー」資格の整備ならびに、カウンセラー養成精度の充実を行った。
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