研究分担者 |
中田 英雄 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (80133023)
植木 章三 東北文化学園大学, 社会福祉学部, 教授 (00241802)
安井 友康 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00260399)
藤田 紀昭 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (40199344)
下村 雅昭 京都女子大学, 家政学部, 教授 (30216139)
|
研究概要 |
アダプテッド・スポーツは各人に適応したスポーツのことであって,身体能力,身体障害,知的発達障害などにとらわれず,誰もが楽しむことができるスポーツと定義することができる。アダプテッド・スポーツを発展させるためには学校体育における障害者スポーツを中心とするアダプテッド・スポーツ教育が重要になってくる。本研究の目的は通常の小学校及び中学校において,低体力者,身体障害者,知的障害者などを対象としたアダプテッド・スポーツ実施状況についてアンケートを実施し,学校教育におけるアダプテッド・スポーツ教育の問題点を明らかにし,質の高いアダプテッド・スポーツ教育を行なうための提言を行なうことであった。日本全国を,北海道,東北,関東,東海,北陸・甲信越,関西,中国・四国及び九州の8地区に分け,それぞれの地域で調査を実施した。全体では小学校および中学校にそれぞれ2800校および1450校にアンケートを送付した。回収率は小学校および中学校でそれぞれ42.1%および45.2%であった。アンケート内容は障害内容,実施している授業内容(種目等),教員のアダプテッド・スポーツに関する授業歴(経験年数等),授業を行う上での問題点(施設,担当者等),アダプテッド・スポーツ実施に対する教育的意義,生徒の身体的特徴などであった。アダプテッド・スポーツ授業の実施形態は,地域によって多少の差はあるが小学校および中学校とも通常の学級で実施している場合が多かった。障害児の通常学級での授業については,健常児が障害を理解するのに有効であり,また障害児が他のこどもとの関係のとり方を学ぶのに有効であるという利点が指摘された。一方,少・中学校とも多くの教員が,障害者スポーツあるいはアダプテッド・スポーツに関する知識が不足していることを認めていた。今後,教員へのアダプテッド・スポーツに関する情報提供が必要である。
|