研究課題/領域番号 |
18300212
|
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
石井 隆憲 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (70184463)
|
研究分担者 |
松尾 順一 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (20122989)
木内 明 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (70298181)
金子 元彦 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (40408977)
岩本 紗由美 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (30408976)
鈴木 智子 東洋大学, ライフデザイン学部, 講師 (70440005)
|
キーワード | 伝統スポーツ / 身体技法 / 伝承 / 身体感覚 / 実践 |
研究概要 |
最終年となる本年度は、当初の計画通り、石井、松尾、金子が5月末から6月上旬にかけてフランクフルトで開催されたドイツ体操祭の調査を実施した。ドイツの伝統スポーツである体操は、1860年に第1回大会が開催され現在まで続けられており、2005年からは国際大会へとその規模が拡張された。国家の枠内で行われてきた伝統スポーツが国際スポーツへと様変わりしていく中で、運営システムや外的権力が身体技法にどのような変化を及ぼすのかに注目したのである。この点については、外的影響力が即座に身体技法の変化に直結しないことを確認した。 これまで調査してきた地域の補充調査としては、石井が6月下旬から7月上旬、また1月下旬にミャンマーにおいて行った。この補充調査によって、ミャンマーの伝統スポーツ「チンロン」の伝承とチンロン選手のライフヒストリーについて参与観察ならびにインタビューを行うことで、身体技法の伝承についてのデータを補完した。 またこうした調査とは別に、5月、6月、10月、11月、2月に研究会を開催した。5月、6月については、ドイツ調査と関わる内容で実施した。10月以降は本研究のまとめと直結した内容の研究会となった。本研究のまとめとして出された主要な点を整理すると、伝統スポーツの身体技法の研究には、観察によって記述できる世界と経験することで記述できる世界があり、これらどちらかに焦点を当てて全体的な記述をすることが重要であることが指摘された。また、こうした記述のための方法論として、伝統スポーツの社会組織、指導者と学習者の相互行為、経験に基づく現象学的記述といった複合的な視点からのアプローチの必要性が確認された。
|