研究概要 |
1.公共スポーツ施設全国調査の集計・分析 19年度に実施した調査の未回答施設のうち、我が国を代表すると考えられる施設を再度選定し、追加調査を実施。公共スポーツ施設の管理運営に関する重要な定量データの蓄積を行うとともに、得られた結果を分析し、報告書にまとめた。我が国では指定管理者制度が2006年に完全施行されたが、調査の結果、管理運営主体においては、単一型スポーツ施設の約6割が未だに直営施設であることがわかった。経営効率性を測るため、利用者1人当たりの運営費(総支出)を算出したところ、全体平均では13,530円であったが、複数の施設を保有している複合型施設(総合体育館など)では2,035円となり、複合型施設の方が効率的な経営が行われているという結果となった。施設の収益性を測るために、利用都1人当たりの職員数を算出したところ、こちらも複合型施設の方が収益性が高いという結果となった。 また、調査結果の一部を用い、「公共スポーツ施設全国MAP」(WEB上)の公開準備を行った。施設別、地域別の検索システムを有し、国民への情報提供サイトとして、翌年度以降、本格的に運用開始する。 2.地理情報システム(GIS)ソフトの試験運用 GISソフトウェアを用い、スポーツ施設を中心とする商圏内の人口分布、所得水準、家計調査によって得られる各種指標の分析を実施した。 3.イギリスでの現地調査、台湾研究者のヒアリング調査 19年度9月より、研究代表者は本研究の先進事例であるイギリスにて1年間滞在し、現地での最新事例の調査に当たった。また、イギリスの事例を参考として台湾でも同様の取り組みが行われたことから、その担当者へのヒアリング調査を実施した。我が国の公共スポーツ施設の管理運営の客観的な評価システムの試験運用を来年度から本格化させていくが、現地調査やヒアリング調査を通じて重要な知見を得ることができた。
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