研究課題/領域番号 |
18300214
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
田原 淳子 国士舘大学, 体育学部, 准教授 (70207207)
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研究分担者 |
真田 久 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (30154123)
近藤 良享 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00153734)
嵯峨 寿 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (30261788)
來田 享子 中京大学, 体育学部, 教授 (40350946)
舛本 直文 首都大学東京, 基礎教育センター, 教授 (70145663)
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キーワード | オリンピック競技大会 / 招致 / オリンピック教育 / 一校一国運動 / 国際理解教育 / 環境 / 長野 / 札幌 |
研究概要 |
本年度は、招致活動における成果と評価、問題点と課題を明らかにし、今後のオリンピック招致のあり方を展望することを研究の目的とした。長野冬季オリンピック競技大会(1998年)において小中学校を中心に展開された「一校一国運動」は、今日でも長野市の約20校で活動が継続されていた。ほとんどのオリンピック大会の開催地では、大会終了とともにオリンピック教育が終息しているだけに長野市のケースは特筆すべきものがある。同市で活動が継続されている背景には、担当教員の複数配置や長野国際親善クラブとの連携など、学校におけるシステム的な取り組みがあった。長野オリンピック当時、「一校一国運動」に参加した児童・生徒の中には、教育、スポーツ、国際貢献活動などに従事している者も多く、教育の成果が確認された。また、北京オリンピック競技大会(2008年)において、北京市の小学校と交流活動を行った小学校では、児童の国際的な視野の広がりが認められた。札幌冬季オリンピック競技大会(1972年)では、コンパクトな大会を実現するため、恵庭岳にスキー滑降競技施設を建設し、大会終了後に施設を完全撤去して15年をかけて植林するという前代見聞の自然保護対策が実施された。恵庭市では、札幌オリンピックが環境問題への無形のレガシー(遺産)として位置ついている。一方、近年の諸外国におけるオリンピック大会招致では、インフラ整備や競技施設などのハード面に加えて、これまでは評価対象としては注目度が低かった聖火リレー、オリンピック休戦、映像を用いたオリンピック教育など、文化プログラムや教育などのソフト面においても、工夫がなされるようになり、オリンピック・ムーブメントにかかわるプログラムの重要性が高まってきていることが示唆された。
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