研究概要 |
走運動ストレス時にPrRP神経が活性化するかどうかを確認することを目的とする。 実験1 走運動時のストレス反応と代謝応答に及ぼすPrRPの効果 1)走行学習 Wistar系雄性ラットおよび雌性ラットを用いて、運動強度を規定する乳酸性作業閾値(LT)を境にLT強度以下群、LT強度以上群、対照群の3群を設け、1日30分計10回の走行学習後を施す。走行テスト前に、運動中の連続採血を可能にするため、麻酔下で頸静脈に採血用のカテーテルを挿入する。施術後、2-3日の休養期間の後、走行テストを行う。 2)脳室内PrRP抗体注入による走運動ストレス反応への影響 ラットを麻酔下に置き、両側用脳定位固定装置(Narushige, SB8)を用い、脳室内にカテーテルを挿入する。ラットに固定負荷運動を施し、運動中および走運動前後の採血により得られた血漿からACTH、PRLなどのホルモンをRIA(ラジオイムノアッセイ法)を用いて測定する。ホルモン濃度の測定には高感度EIA(酵素免疫法)、RIA(ラジオイムノアッセイ)などを用いる。また血中の乳酸とブドウ糖は、血糖・乳酸微量分析器(YSI,現有)を用いて測定する。 3)走行後のc-Fos蛋白の発現 走行後、麻酔下で脳を摘出し、ドライアイス下で凍結した後、クリオスタット(Zeiss,現有)40μmの切片を作成する。切片は主に脳幹の延髄と視床下部について行う。次に、c-FosとPrRPに対する抗体を用いた免疫組織化学染色により、PrRP神経の細胞を同定し、その細胞に発現するc-Fos蛋白を同定し、c-Fos/PrRP共発現細胞数をカウントする。
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