研究概要 |
従来、低強度長時間運動によりラット骨格筋のPGC1αの発現量が増加し、それは当該運動により動員される筋に特異的であることが報告されている。最近報告者たちは、高い強度の間欠的運動でも同様に、そのような運動により動員される骨格筋のみに増加が見られることを明らかにした。すなわち高強度トレーニングは糖代謝能を律速するGLUT4や有酸素性代謝を律速するミトコンドリアの発現を増加させる有用なツールであることが示された。しかし、そのような間欠的運動は疲労困値(8回)まで行うので、実際に健康増進のための運動には用いることは難しい。そこで本研究では、疲労困値に至らない回数(3回)の間欠的運動による1週間の水泳トレーニングがPGC1α,GLUT4及びミトコンドリアの発現を見た。その結果、GLUT4及びミトコンドリア蛋白の発現量は3回と8回のトレーニングで差は見られなかった。一方、PGC1αは3回のトレーニングは8回のトレーニングよりも低かった。また、それらの転写因子の発現に関する情報伝達系と推測されるAMPKおよびCaMK活性を測定したが、AMPKは3回と8回で差があったら賀CaMK活性には差がなかった。したがって、GLUT4の発現にはCaMKが関与している可能性が示唆された。
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