研究概要 |
本年度は主として,中学校3年生を対象としたライフスキル教育の有効性に関する評価研究を実施した。また,平成19,20年度に小学校5,6年生を対象とした介入研究の有効性に関する追跡調査を実施した。 中学校における評価研究は,新潟県村上市の中学校2校,同県胎内市の中学校2校を研究対象校とし,準実験計画法に則り,それぞれの地域の半数の学校をプログラム実施校,半数の学校を対照校とした。ただし,胎内市の中学校のプログラム実施校においては,学校側の事情によってほとんどプログラムが実施できず,結果的に3年間にわたってプログラムを継続的に実施できたのは,村上市の中学校1校であった。 使用した中学校3年生用のライフスキル教育プログラムは.JKYBライフスキル教育研究会が開発したものであり,全16時間で構成され,個性の尊重に関わる内容(1時間),対人関係スキルに関わる内容(3時間),目標設定スキルに関わる内容(8時間),ボランティア活動等で構成される。 平成22年3月に最終の事後調査を実施した。平成22年5月までに解析を終了し,研究成果報告書を作成する予定である。なお,各学校の授業担当者による中間報告によれば,ライフスキル教育が自分の生き方を考える時間として定着してきたことが窺えた。また,平成22年1月に,広島県福山市の中学校1年生を対象として実施した追跡調査の結果によれば,小学校5,6年の時期にライフスキル教育を受けた生徒は,受けなかった生徒に比べて,セルフエスティームが高く,喫煙などの危険行動をとる割合が低い傾向が認められた。
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