研究課題/領域番号 |
18300226
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
豊島 裕子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70328342)
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研究分担者 |
遠藤 陽一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20158786)
木村 直史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80138742)
小幡 徹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (80119776)
衛藤 謙 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00287210)
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キーワード | ストレス / 心拍変動 / 耐性 / ノルアドレナリン / アドレナリン |
研究概要 |
昨年の実験で、近赤外線トポグラフィー法による脳血流を用いてストレス評価を行う際、ひと工夫必要であることがわかったので、本年は、その方法を検討しつつ、心電図脈拍変動によるストレス評価を中心に行った。 ストレス負荷法は、従来より用いている暗算の他に、昨年から採用したホラー映像ストレスを10分間の刺激に延長した。ホラー映像は、疾走、不安、驚愕、残酷、流血の5つのカテゴリーからなり、カテゴリー別にストレス反応を評価した。 ストレス評価は、持続的に記録した心電図をHRVモジュールで解析し、変動パワー指数LF/HFを求め、これを比較した。 どのカテゴリーのホラーで、最もLF/HFが大きく変化するかは、明らかな個体差があり、各カテゴリーに対し同様の反応を示す被験者は認めなかった。主観的体験として、被験者がどのカテゴリーを最も不快と感じたかを聴取し、LF/HFが最も増加したカテゴリーと比較検討した。その結果、情動の表出としてのLF/HFと主観的体験の問に有意な関係を認めた。つまり、心拍変動を用いれば、個体の情動の主観的体験を推測する事が可能と考えた。 被験者25人を虚血性心疾患riskをもつタイプA行動パタンと、タイプBに分けて比較検討した。タイプAでは、ストレスに対する心拍変動の変化が、負荷終了後遷延し、長時間交感神経緊張状態が継続する事が示唆された。交感神経緊張状態が長く続けば、血中カテコラミンも長期間高値となる可能性があり、これがタイプAにおいて、虚血性心疾患riskを高める要因のひとつになるのではないかと考えた。
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