研究課題/領域番号 |
18300226
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
豊島 裕子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70328342)
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研究分担者 |
遠藤 陽一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20158786)
木村 直史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80138742)
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キーワード | ストレス / 心拍変動 / 耐性 / 血小板凝集能 / 全血流動性 |
研究概要 |
最終年度は、前年度に行った、心電図心拍変動スペクトル解析によるストレス評価法を再度検証した。さらに、ストレス関連疾患の中で、我が国の死因の第2位、第3位を占める心筋梗塞、脳梗塞の発症のトリガとなる、血管内微小血栓形成の測定に関して研究した。 血栓形成性評価は、レーザー散乱光式粒子計測法による血小板自然凝集能を測定した。全血流動性の評価はMC研究所性MCFANを用い血流阻害の指標として、われわれが独自に算出した流動曲線変曲点と想定流量と実際流量の差を用いた。 また、本年度は、人為的ストレス負荷法として昨年度同様に恐怖映像のほかに、生活習慣病のrisk factorとして周知の喫煙を加えた。対象は前年度同様に若年健常男性ボランティアを用いた。 ストレス負荷後、血小板自然凝集における、大凝集塊/小凝集塊比が有意に増加し、血液流動曲線変曲点の有意な早期化、想定流量・実際流量差の有意な増加を認めた。これら所見は、血中カテコラミン増加と相関した。 3年間の研究で、人為的に負荷可能な軽微なストレス負荷でも、心電図心拍変動LH/HF比、事象関連電位P300、血中カテコラミン濃度は変化し、特にLF/HFは負荷したストレスに対する「苦手な度合い」も評価可能であり、客観的ストレス評価に有用であることが分かった。また、代表的ストレス関連疾患である心筋梗塞、脳梗塞発症のトリガとなる微小血栓形成は、われわれの用いた方法で評価可能で、わずかなストレス負荷でもその傾向を確認できた。以上より、ストレス負荷でヒトに脳心血管系ストレス関連疾患を発症させる可能性が示唆され、個体別にどのようなストレスが高いriskを有するかを客観的に評価することが可能であることが示唆された。
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