研究分担者 |
日和佐 隆樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30260251)
田村 裕 千葉大学, 大学院・医学研究院, 特任教員 (50263174)
岩瀬 克郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (80322030)
松本 絵里子 千葉大学, 大学院・医学研究院, 技術職員 (20422256)
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研究概要 |
(1)脂質合成を統御する転写調節因子sterol regulatory element binding protein-lc(SREBP-lc)の肝臓における発現の目周リズムの制御機構-SREBP-1は脂質合成系遺伝子群を統御する転写因子であり,第1エクソンの違いによるSREBP-1aとSREBP-1cのアイソフォームが存在する。前年度までのノザン法およびreal time RT-PCR法を用いた解析により,SREBP-1aに比してSREBP-lcのmRNAレベルがマウス肝臓において明瞭な日周リズムを示すことが明らかになった。本年度は,タンパク質レベルでのリズムを調べるため,SREBP-1のエピトープ予想部位の合成ペプチドに対するウサギ抗体を作成した。マウス肝臓抽出液を用いたウェスタン法により,予想される68kDa付近にバンドが検出され,またそれは合成ペプチドにより競合された。今後,同抗体を用いてSREBP-1タンパク質レベルの日内変動を調べる予定である。(2)視交叉上核において光刺激に応答して発現が変動する遺伝子の検索-視交叉上核のリズムの光によるリセット機構ならびに光応答性出力機構の解明を目的として,マイクロアレイ解析を行った。その結果,暗期における光照射後2時間で1.5倍以上mRNAレベルが有意に増加した遺伝子は80個,減少した遺伝子は12個,6時間で発現が増加した遺伝子は14個,減少した遺伝子は31個であった。タンパク質合成、修飾、分解系,ミトコンドリアエネルギー産生系遺伝子の多くにmRNAレベルの上昇が見られた。Real-time RT-PCRによりmRNAレベルの上昇が確認されたNADH デヒドロゲナーゼサブユニット3およびユビキチン C-末端ヒドロラーゼ3はそれぞれNADH/NAD^+比,時計タンパク質の分解を制御することにより時計遺伝子の転写活性を調節している可能性が考えられた。
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