研究課題
糖尿病やMSに伴うインスリン抵抗性の指標として、レチノール結合蛋白(RBP)やアディポネクチン(AN)の有用性が指摘されている。2型糖尿病患者を対象に、RBPを基準としてMSや動脈硬化の指標との関連を検討した。早朝空腹時に身体計測、血液・尿検査を実施し、RBP中央値を基準として高値群と低値群に分け、MSおよび動脈硬化の危険因子との関連を検討した。男女共に、RBP高値群では低値群に比べて、TTR、UA、BUN、S-Cr、Cys-Cは有意に高値を示した。男性では、RBP高値群は低値群に比べて、TG、ApoB-48、ApoC-II、ApoC-III、RLP-C、RLP-TG、RLFC/nonHDL-C比、腹囲は有意に高値を示した。男性では、RBPは、TG、Apo A-II、Apo B-48、Apo C-II、Apo C-III、Apo E、RLP-C、RLP-TG、RLP-C/TG、RLP-C/nonHDL-C、UA、TTR、BUN、S-Cr、Cys-C、logU-P、SBP、PWVと正相関を、eGFRと負相関を示した。女性では、RBPはApo B、UA、TTR、S-Cr、Cys-Cと正相関を、Apo A-I/B、eGFRと負相関を示した。男女共に、RBPはHOMA-IRおよびANとの関連を示さなかった。また、男女ともにRBPは炎症、酸化ストレス指標との有意な相関を示さなかった。以上、男性2型糖尿病患者では、RBP値はMSならびに動脈硬化進展の指標となる可能性が示された。過栄養状態は、TG richリボ蛋白代謝を介し、MSおよび動脈硬化進展に影響を及ぼすと考えられた。RBPはインスリン抵抗性の指標とされてきたが、男性2型糖尿病患者では、インスリン抵抗性の指標としてではなく、栄養状態の指標として有用である可能性が考えられた。
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