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2008 年度 実績報告書

骨格筋のエネルギー代謝関連の遺伝的要因と運動適応能

研究課題

研究課題/領域番号 18300237
研究機関福岡大学

研究代表者

清永 明  福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (70177955)

研究分担者 田中 宏暁  福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (00078544)
桧垣 靖樹  福岡大学, スポーツ科学部, 准教授 (10228702)
キーワード運動 / 遺伝子多型 / 骨格筋 / ミトコンドリア / PGC-1α
研究概要

【目的】運動トレーニングの効果の個人差を遺伝的要因により明らかにし、個人の体質に適した運動処方を作成するための基盤を形成することである。近年、糖尿病患者の骨格筋ではミトコンドリアの量と機能が低値を示すとの報告があり、これらの改善がインスリン抵抗性の改善に寄与すると考えられる。骨格筋のミトコンドリアの量や機能を調節する遺伝子多型が、運動による全身性のエネルギー代謝に影響を及ぼすと仮説を立て、本年度はミトコンドリアの強力な増殖因子となるPGC-1αの遺伝子多型と、運動トレーニングによる効果の関係を調査した。【方法】対象者は下記の3項目を満たした119名(男性49名、女性70名)である。(1)乳酸閾値(LT)強度でのステップ運動トレーニングを12週間完遂することができた者(2)トレーニング前後のLT測定と血液検査が実施できた者(3)トレーニング時間の記録が取れた者。対象者は運動トレーニング時間が週当たり140分以上となるように指導された。本研究では有酸素性作業能力の指標としてLT強度を採用した。LTはAyabeらの方法(IJSHS 2003)に準じて推定した。PGC-1αのGly482Ser多型はPCR-RFLP法にて分析した。【結果】PGC-1αのGly482Ser発現頻度はGly/Glyが34名(29%)Gly/Serが56名(47%)Ser/Serが29名(24%)であった。空腹時血糖、HbAlc、インスリン、HOMA-R、中性脂肪とHDLコレステロールの変化に遺伝子多型間で差は認めなかったが、LDLコレステロールは、Gly/GlyはGly/SerとSer/Serに比して有意な減少を認めた(それぞれ-8.4±14.5mg/dl,2.0±19.4mg/dlと4.3±19.5mg/dl)。【まとめ】糖尿病患者における骨格筋のミトコンドリア量と機能の低下という背景から、PGC-1αの遺伝子多型は特に運動によるインスリン感受性の変化に強く関与すると我々は仮説を立てていたが、そのようか関係は認めなかったが、LDLコレステロールの変化に関連性を認めた。LDLコレステロールの変化にこの遺伝子多型がどのように影響を及ぼすのか、今後はその機序の解明が必要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] アンジオテンシンI変換酵素遺伝子挿入/欠失多型と身体能力2008

    • 著者名/発表者名
      飛奈卓郎, 田中宏暁, 西田裕一郎, 清永明
    • 雑誌名

      体力科学 57

      ページ: 527-532

    • 査読あり
  • [学会発表] PGC-1α遺伝子Gly482Ser多型と有酸素性作業能力の関係2008

    • 著者名/発表者名
      飛奈卓郎, 清永明, 田中宏暁
    • 学会等名
      第63回日本体力医学会
    • 発表場所
      別府
    • 年月日
      20080918-20080920

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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