研究課題
本研究は、人々の生活リスクに対する認知・対処と生活評価の実態を把握し、両者の関係を明らかにすることを中心課題に据えながら、さまざまな生活状況の属性:a.環境変数その1としての相互扶助環境(公的・共的)、b.環境変数その2としてのリスク環境(現実社会およびインターネット空間における動態的ハザードと静態的ハザード)、c.コンテクスト変数(ファミリーライフサイクル、家族人数、年収、資産)、d.構造変数(家族構造)、e.プロセス変数(リスクコントロールとリスクファイナンス)が生活評価にどう関わっているかを、質問紙を用いた社会調査によって解明することを目的としている。また、本研究は日米比較調査として行われるものである。19年度にあっては、以下の3つの課題を遂行した。(1)ひとびとのリスク認知・対処をめぐる理論研究と自身が14年に行った質問紙調査データの見直しを行った。(2)上記の(1)をふまえ、14年調査には欠けていた観点を盛り込んだ新たな調査を設計した。具体的には、安全・安心についての意識項目、自然観や運命観また科学技術志向性などを含んだリスク観、コスト許容度や自助意識などを含んだリスクマネジメント観などが追加された調査項目である。加えて、構造変数としての家族の凝集性や集権性、環境変数としての公的・共的資源の入手の程度も盛り込み、扱うリスクの種類も増やした。(3)上記(2)による新たな調査について実査を行った。調査フレームは以下のとおりである。調査期間[日本]20年2/13〜2/29、[米国]20年2/23〜3/28。調査会社[日本]日本リサーチセンター、[米国]GfK Custom Research North America。調査対象[2カ国]全国の20〜69歳の男女。有効回収数[日本]1,050、[米国コ509。20年度には、得られた調査データの分析・考察を行い全体のまとめを行うことが課題となる。
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Proceedings of the 11th International Conference on Knowledge-Based Intelligent Information & Engineering Systems, Part II, Springer-Verlag
ページ: 942-949
危険と管理 39
ページ: 92-105