研究課題/領域番号 |
18300249
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研究機関 | 和洋女子大学 |
研究代表者 |
畑江 敬子 和洋女子大学, 家政学部, 教授 (50156337)
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研究分担者 |
香西 みどり お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (10262354)
戸田 貞子 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (90341792)
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キーワード | 高齢者 / 咀嚼力 / 検査食 / 咬合力 / 野菜 |
研究概要 |
高齢者は多かれ少なかれ、加齢に伴う身体機能の低下があり、食べにくい食物が多くなる。高齢者が食べにくいからといって食べないと栄養状態の低下を招く。しかし、食べやすくするために必要以上に軟らかく、あるいは小さく切ることは、高齢者の歯や顎の関節の機能を低下させ、噛む能力を弱化させる。従って、高齢者に取って食べやすくかつ適度な咀嚼が必要な食べ物が必須である。高齢者一人一人の口腔内状態に合わせた食べやすい食物に関する情報を提供しなければならない。 これまで、われわれは歯の保存状態およびデンタルプレスケールを用いて口腔内状態を評価した。これに対応する食べやすい食物の状態を知るために18種の生及び加熱野菜を調製し、口腔内状態と野菜の食べやすさを検討してきた。しかし口腔内状態を評価するのに、デンタルプレスケールに変わる方法として、検査食を調製出来れば、もっと簡便に口腔内状態を評価出来る。これまで、濃度を2段階にかえた寒天ゲルを調製し、一定時間咀嚼してもらい、吐き出して、寒天中のグルコースがどのぐらい溶出するかを測定した。 2種の寒天の溶出量によって高齢者をA、B、C、Dの4つのグループに、咀嚼力と野菜の食べやすさの関連づけにある程度成功した。しかし、寒天では粘着性のような舌の動きも合わせた、咀嚼力を測定する事が出来ないので、さらにデンプン検査食の調製を試みた。上新粉とジャガイキデンプンを組み合わせ、蒸し加熱したゲルを調製した。その過程で手で捏ねる段階があるが、作業は再現性に問題があり、さらに検討が必要である。加熱方法も均一に熱を伝えることが困難で再検討が必要である。また、老化に伴う物性変化があり、官能評価の前日にデンプンゲルを調製したものを、官能評価に用いることが良いと結論した。
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