研究概要 |
平成18年度は、食物アレルギー症状の原因となることが多い店頭販売品に含まれる特定原材料(卵・牛乳・小麦・そば・落花生)の含有量を測定すると共に、情報提供の現状を調査した。コンビニエンスストアー(6社20商品)、ファーストフード店(6社29商品)、丼物屋(1社3商品)、持ち帰りパン屋(2社5商品)、持ち帰り寿司店(2社11商品)、和菓子店(3社13商品)の20社81商品の特定原材料の含有量を測定した結果、27商品で10μg/g以上の濃度で特定原材料が検出された。もちや最中、冷菓以外の商品では、数μg/g以上の濃度で検出された。情報提供は、ファーストフード店、丼物屋、和菓子店は全社、コンビニは6社中2社が行っていたが、持ち帰りパン屋や持ち帰り寿司店では提供していないなど、業務形態により差が見られた。10μg/g以上の特定原材料が検出された商品でも、一部情報の漏れや過剰な情報挺供も見られた。 平成19年度は、gooリサーチに登録された消費者モニター25000名を対象に、インターネットアンケートを実施した。本調査に先立ち、プレ調査を実施し、食物アレルギー患者似下「患者群」という)844名を含む12,925名から回答が得られた。プレ調査の結果から、患者群844名と、コントロール群として非アレルギー患者(以下「非患者群」旨という)800名を抽出し、本調査を実施した。本調査では、患者群535名、非患者群549名から回答が得られたが、食物アレルギーやアナフィラキシー、食物アレルギーの原因物質、食物アレルギーの表示制度に関する理解度については、両群では大きな差は見られなかった。さらに、平成18年度の調査結果を踏まえて、店頭販売品に含まれるアレルギー物質に関する設問を追加し、患者群454名、非患者群497名から回答を得た。「おにぎり」や「きゅうり巻き」、「鉄火巻き」等に牛乳が含まれることは、いずれの群でも80%以上が知らないことが明らかとなり、今後の適切な情報:提供が必要と思われた。
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