I家庭における食教育活動に関する実態調査 食教育活動が活発な幼稚園に通う3〜6歳の幼児351名の保護者を対象に、家庭における食教育活動状況と保護者の食事作りに対する関心について調査を行った。食事作りに対する関心が高い保護者の子どもは「保護者と一緒に食材の買い物に行く」「簡単な調理の手伝いをする」ものが高頻度だった(p<0.01)。しかし、男子では「簡単な調理の手伝いをする」ものは保護者の関心度に関わらず低頻度であった。数量化III類による分析の結果、食行動が良好で生活リズムが不良のグループは、保護者の食事作りに対する関心度が最も高いという結果が得られた。食行動の自立のためには、男子も幼児期から家庭における調理体験を行うことが大切であると推察された。また、子どもの健全な食行動を育てるためには、保護者の食事作りに対する関心を高めると同時に子どもの生活習慣に対する関心も高める工夫が重要であると考えられた。 II子どもたちを中心に保護者と保育者の連携による連続的な食生活体験プログラムの実践 平成18・19年度と同様に、連続的な食生活体験プログラムを実践した。活動の前後に行った食材に対する嗜好性調査から、嫌いで食べられない野菜の数が活動後に減少するという結果が得られた。さらに、家庭において嫌いな野菜を食べようとする姿や食材に対する関心の高まりもみられ、子どもたちの食材に対する愛着心の高まりが示唆された。 III幼稚園および保育所(園)における食教育に関する調査研究のまとめ 福岡県内の幼稚園と保育所(園)のうち、菜園活動を実施している園では「食材への興味や関心が高まった」「栽培した作物に対する偏食が改善された」等の効果が上位を占めていた。さらに「土作り、種まき、草取り・水撒き、収穫、食す」という連続的な活動を行っている幼稚園および保育所(園)では、その効果はさらに高くなる傾向が認められた。
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