研究概要 |
1. 北米の大学おけるTA研修の研究日本と諸外国との間には教育制度に大きく異なる部分があるが, 先行する諸外国の実情を取材し分析することが大切である。平成20年度4月〜7月には, 分担者の宇田川拓雄がアメリカ・UCバークリーのTA研修のフルコース(PFF)を実際に受講した。9月には, 分担者の山岸みどりがカナダ・ダルハウジー大学の2日コースのTA研修を受講してきた。10月には, 代表者の西森敏之と分担者の細川敏幸がアメリカ・リノで開催されたPODのシンポジウムに参加して, TA研修に関連するアメリカ・カナダの事情を取材してきた。北海道大学の全学教育TAに対する1日コースの研修では, 講演とパネル討論を, 分科会におけるグループ討論によるケーススタディを行っているが, これはバランスの取れたものであることが確認された。次のステップとしては, 意欲ある大学院生を勧誘して, 2単位授業としての教育研修(いわゆるPFF)を実験的に開始することが考えられる。 2. TA研修システムの研究TA研修の内容として取り上げるべき事項を検討し, また実践研究として行っている現行のTA研修の有効性を検討するため, 全学教育(教養教育)と専門教育のそれぞれについて, TAとTAを使用している教員の双方に対してアンケート調査を前年度以前に行った。その結果を分析し, さらに, 学生による教員の評価に対応するものとして, 学生によるTAの評価を小規模であるが実験的にいくつかの授業で行ったものを分析した。これらの分析のうちの一部はすでに論文として「高等教育ジャーナル」に発表したが, 残りの分析についても論文として発表する予定である。
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