研究分担者 |
松川 正樹 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30127914)
鎌田 正裕 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20204604)
新田 英雄 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50198529)
犀川 政稔 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60014817)
真山 茂樹 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (40199914)
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研究概要 |
昨年度に引き続き,実験・観察の指導をする学校教師や博物館の学芸員が自然科学の手法や概念を取得し,児童生徒を理科好きに導けるように(1)「体感」して理解する動的実験・観察教材の開発と(2)実施のための支援システム作りのための基礎研究を実施した.(1)はラボワーク教材とフィールドワーク教材からなる.ラボワーク教材は,電磁気現象,燃料電池,イオン性液体,遺伝子等を取り上げ,先端科学の研究成果を学校での理科実験で実用化することと、児童生徒の科学への興味関心を高める「化学マジック」教材等の開発を試み,附属学校や一般校で実践するとともに本学で開催した「青少年のための科学の祭典東京大会in小金井」でも実践した.教材を開発していく中で,教科書にある学習内容との関連付けが教育上重要との知見を得て,今年度は,特に,この関連付けを重視した教材の開発を試みた.フィールドワーク教材は,児童生徒が地域の動植物種を調べ,食物網をモデル化し生息許容個体数を見積もるために,八王子市東部の多摩丘陵を例に基礎研究を実施した.また,将来の生態系を予測する教材を開発するために,過去の生態系を復元し,生態系の時間変化の特徴を捉えることも試みた.今年度も,実験・観察教材の開発段階から授業実践まで本学初等・中等教員養成課程理科専攻の学生と教育学研究科の院生を参加させ,科学コミュニケーターの資質を持つ理科教員養成の在り方の基礎研究を継続して実施した.昨年度の研究で,科学の基礎知識を十分に理解することは勿論であるが,知識を伝達するための話術,コミュニケーションを保つための人間関係の育成など,大学での教育で必要な事柄が明らかになったので,これを育成するための方策を検討した.教育ボランティアによる実験・観察授業の支援システムの在り方に関しては,北米における学校支援システムを基に日本版にシステムを改良し,地質野外授業で実践した.日本版システム運用の一般化に関する課題が明らかになった.1年目の研究では,理科教育に関する研究論文を2編出版した.また,本学初等教員養成課程の理科を専攻しない学部生が将来小学校教員として理科実験と観察の授業指導ができるための教科書を作成し,現在,印刷中である.
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