研究概要 |
(1) グリーンケミストリー教材の開発 (1) 廃電子部品からの金属銅の回収についての近年の研究成果を元にして,テトラアンミン銅(II)イオン水溶液による金属銅の浸出過程とそれにより生成したジアンミン銅(II)イオン水溶液の電気分解による金属銅の回収過程のモデル実験を開発し,グリーンケミストリー教材として用いることを検討した。 (2) 熱およびエネルギーの基礎概念を理解させるための応用実験として,アミノ酸の中和反応,炭酸イオンの中和反応,過マンガン酸カリウムと過酸化水素の酸化還元反応を素材として,化学変化に伴う熱の出入りに関する実験教材を開発した。 (2) 関連教科における教材開発 物理分野では,電磁波の性質とエネルギーに関する実験教材として,太陽電池を用いた分光法とアルミニウム導波管を用いた定常波観測法を開発し,電磁環境教育のための教材として用いる可能性を検討した。生物および地学関連分野では,光合成,バイオミネラリゼーション,鍾乳洞の形成過程などによる二酸化炭素の固定化と化石燃料の利用による二酸化炭素の放出などを素材として網羅し,地球環境中における二酸化炭素の循環をコンテクストとした環境学習モジュールの開発を行った。 (3) 学習プログラムの開発と教育実践的研究 本研究で開発したグリーンケミストリーやエネルギー・環境に関連した実験教材を網羅したエネルギー環境教育の学習プログラムを,教育実践的研究の結果を基にして再構築し,複数の高等学校での講義,演習,および実験を取り入れた試行授業に供し,その有用性を実証的に検証した。
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