研究課題/領域番号 |
18300289
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
垂水 浩幸 香川大学, 工学部, 教授 (80293900)
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研究分担者 |
楠 房子 多摩美術大学, 美術学部, 准教授 (40192025)
稲垣 成哲 神戸大学, 大学院・人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
竹中 真希子 大分大学, 教育福祉科学部, 准教授 (70381019)
林 敏浩 香川大学, 総合情報センター, 准教授 (90264142)
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キーワード | コンテンツ・アーカイブ / エージェント / 教育工学 / 協調学習 / モバイルコンピューティング / 携帯電話 / GPS / Brew |
研究概要 |
(1)技術課題:端末側のソフトとして、携帯電話上で現在利用できる最も柔軟かつ高速なソフトウェア規格であるBrewを利用した。また電子コンパスを搭載しない普及した携帯電話をターゲットとしたものを開発できた。後述のようにこれは中学生が利用しやすいものであることも実証できた。 (2)コンテンツ実装課題:学校側等の事情により年度開始時の予定を変更し、中学生のみを対象とすることにした。次項で述べるコンテンツ内に仮想人物を盛り込んで発言させた。生徒は過去の人の目線で考えることができ、学習上の効果があることを検証した。反面、コンテンツの具体的内容に学習者が過剰に反応する場合があることが課題となった。 (3)学習コンテンツデザイン課題:神戸市で中学生34名を対象に国土交通省の協力を得て、住吉川流域の土砂災害についての学習コンテンツを開発し、実際に授業で利用してその効果を検証した。作成した三次元コンテンツは、過去の土砂災害を再現したものであり、生徒は、災害のあった地を訪れてその地の過去を訪問することになる。本研究のような三次元仮想コンテンツを携帯電話上で学習に用いたのは世界で初の試みである。生徒の学習行動はビデオに撮影し、生徒への質問紙調査、インタビュー、作文などと合わせて解析した。その結果、生徒全員からポジティブな反応があり、学習のモティベーション向上に効果があることが実証できた。三次元モデルを用いることにより、自由な角度からその地の過去の災害の様子を知ることができる点の評価が高かった。また携帯電話を用いることにより、機器に親しみやすいことから、生徒の関心を高めることに効果があることがわかった。これらの結果により、今後、携帯電話を用いたフィールドワーク、三次元を学習に生かしていくアプローチを有効に使えることが実証できた。
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