本研究は、体験学習に例えば歴史上の人物と歴史的事件の揚で仮想的に触れ合える仮想世界を用いたエデュテイメントの要素を加え、子ども同士の関わりを重視した歴史地理を中心とする総合学習システムについて、GPS付携帯電話を用いた構築と評価分析を行う。本年度は最終年度であり、(a)成果発表、(b)システムの小規模の改善および異なる実践適用の事例による再評価確認を計画していた。成果発表については項目11に示す通り、査読付国際会議での発表2件の上に、情報処理学会論文誌にフルペーパーが採択され、発行された。さらに、Springer社発行の査読付英文論文誌(Transactions on Edutainment)への採択も決定した。(b)については昨年度までに開発したシステムに、学習者と仮想世界との間のインタラクション機能、ログ取得機能を追加開発し、評価実践を行った。その結果、インタラクション機能の充実は学習者に考えるきっかけを提供する意味でプラスであるが、現実世界とのインタラクションを相対的に低下させるため限られたフィールドワークの時間で用いるシステムとしては適切でない場合があることがわかった。ログ取得機能については有効な評価を得られた。これらについては、教育システム情報学会で口頭発表を行ったが、今後査読付国際学会およびフルペーパーとしての発表を計画している。3年間の研究によって、GPS付携帯電話を用いたフィールドワーク(歴史学習)支援について、コンテンツ設計、機能設計の指針が得られた。
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