研究課題
本研究は、聴覚障害者の学習を効果的に実施する為に、手話などによる説明と対象物に対する視覚による理解の両方を支援し、教師の指示(Cue)と学習者の注視点(Focus)を共存させる「みながら学習」インタフェースの開発及びその効果を実証することを目的とし、研究を行ってきた。具体的には、教師の指示を動的に表現できるアクティブ指示装置(WAND)を開発し、黒板やプロジェクタなどの通常の教室で利用されている道具が利用できない環境において、効果的な情報提示機器を提案し、聴覚障害者向けの校外学習に利用している有効性の検証を行った。最終年度である本年度は、昨年度の実験結果を検討し、研究の成果を学会の研究会で発表、各分野の専門家と多くの意見を交換し、論文化を行った。国際会議では、Entertainment Computing : 8th International Conference (ICEC2009)、Intelligent Technologies for Interactive Entertainment : Third International Conference, (INTETAIN2009)での発表、国内では、日本科学教育学会第33回年会でのパネル討論に参加した。また、4年間の成果を日本科学教育学会論文に投稿し、採択された。本研究で提案した校外学習での学習支援は、聴覚障害者に特に有効であるが、健聴者にも有効であり、聴覚障害者と健聴者のコミュニケーションの新しい形態を提案できたと考えられる。本研究の成果として、聴覚障害者と健常者同士のインタラクションが中心になる三者関係をスムーズに行い、議論を活発化する方法を提案できた。今後は、学習者がより簡単にレーザーショーデバイスを使えるようにBig Fat Wandを軽量化・利便性向上したSmall Smart Wandの開発をしていきたい。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
日本科学教育学会 (採択(予定), 未定)
Lecture Notes of the Institute for Computer Sciences, Social-Informatics and Telecommunications Engineering 9
ページ: 240-245
Lecture Notes in Computer Science/Information Systems and Applications, incl.Internet/Web, and HCI 5709
ページ: 311-312
