研究課題/領域番号 |
18300301
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
岩崎 仁 京都工芸繊維大学, 環境科学センター, 准教授 (80135631)
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研究分担者 |
坂東 忠司 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70218676)
安田 忠典 関西大学, 文学部, 准教授 (90388413)
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キーワード | 南方熊楠 / 科学技術史・科学思想史 / 画像記録・保存 / 生物・生態学 / 統合型データベース |
研究概要 |
2008年5月11日、和歌山県田辺市南方熊楠顕彰館において本研究の中間発表として開催された「第4回特別企画展 熊野無花植物 -南方熊楠の生物・生態学関連資料の紹介と研究報告-」の閉幕にともない、研究代表者と分担者、協力者による会議をおこない、今年度の研究方針を協議した。その方針に従い以下のような実績をあげることが出来た。 1. 南方熊楠顕彰館へ移送された国立科学博物館植物研究部所蔵藻類貼り付け標本資料約2,000点についてスキャニング・デジタルファイル化を進め、そのすべてを完了した。 2. 国立科学博物館植物研究部に保管されている藻類プレパラート標本について、坂東忠司が詳細な調査、およびデジタル撮影をおこなった。しかし、その量は膨大で、かつ損傷が著しい資料も多いため、全体量と比較すると終了分はいまだ少ない。 3. 和歌山県白浜町の南方熊楠記念館所蔵の植物・生態学資料を含む未調査の博物学関連資料、約750点について、研究協力者の萩原博光が調査を行った。 4. 田辺湾神島の実地現状調査を行い、熊楠当時、および約20年前の調査データと比較・検討した。 5. 以上の調査・研究の結果についてデータベース化を進め、菌類図譜を中心とした精細な画像データと日記・書簡等の文字資料データとを横断的・相補的に統合したデータベースを準備し、南方熊楠顕彰館にて部分的に公開した。現在はネット上での公開に向けて準備している。 6. 冒頭にあげた研究展示の内容を、それぞれの研究者が南方熊楠顕彰館発行の「熊楠ワークス」に論文・報告として発表し、那智時代における南方熊楠の植物採集と神社合祀反対運動との関連を明らかにするなど、熊楠の思想、行動について総合的に考察を行った。
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