研究課題/領域番号 |
18300302
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
松原 洋子 立命館大学, 大学院先端総合学術研究科, 教授 (80303006)
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研究分担者 |
小泉 義之 立命館大学, 大学院先端総合学術研究科, 教授 (10225352)
立岩 真也 立命館大学, 大学院先端総合学術研究科, 教授 (30222110)
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 教授 (90215806)
武藤 香織 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50345766)
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キーワード | 患者 / アシスティブ・テクノロジー / 支援 / 生命倫理 / 先端医療 / 科学コミュニケーション / 分配的正義 / 研究開発 |
研究概要 |
本研究は、稀少疾患の患者・家族の科学コミュニケーションに注目し、患者・家族ならではの創造的な科学技術文化を見いだすとともに、患者・家族と科学技術の専門家集団との連携の可能性を探って、患者主導の科学/技術の新しい関係構築を目指す。 1.事例研究--H18年1月〜3月にALS患者主導によるインターネット会議を企画・運営し、ITによる遠隔地コミュニケーションに必要な人的・社会的・技術的・経済的諸条件の検討、参加者(患者・家族・介護者・研究者等)のコミュニケーション分析等を行った。また、H18年1月に聴覚障害者院生に対するPC要約筆記による大学院講義支援プロジェクトを実施した。人文系大学院の聴覚障害者院生の情報保障は報告例が少ない中で、貴重なケーススタディとなった。以上の成果についてはH19年度に学会や論文で報告する予定である。 2.生命哲学的検討--本研究ではALSやハンチントン病など、治癒困難かつQOLの低さを理由に医療の論理で治療の対象外とされ生存が脅かされることもある疾患の患者を想定しつっ、そうした患者の生そのものから発する科学技術文化の可能性を探る。小泉義之『病いの哲学』では、死に向かう病人の生の肯定と擁護の哲学を論じ、新しい病人像・患者像への可能性を拓いた。 3.患者主導型の科学技術開発システムの検討--立岩真也は一連の著作を通して生産財としての科学技術の分配的正義の基礎となる考察を、また佐藤達哉は、患者の科学技術文化研究の基本的な方法論と技術に関わる予備的検討を行った。また、松原洋子は研究開発への患者の参画および患者活動のフィールドワーク研究と不可分にある研究倫理の問題を検討するため、被験者保護・先端医療技術倫理・社会調査の倫理に関する連続研究会を開催し、報告書「研究倫理を考える」をまとめた。 H19年度は、遺伝性疾患患者の科学コミュニケーション等について検討する予定である。
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