研究課題
本研究は日本におけるブタとウマの飼育開始過程を、東アジア全域でのブタとウマの家畜化と伝播の歴史の中に位置づけることを目的とし、具体的には日本列島で独自にイノシシの家畜化過程が進行したか、ウマは大陸からどのようなルートで日本列島に伝播し、どのような経緯で日本在来馬品種が成立したかなどの問題について明らかにすることをめざした。最終年度も日本産現生イノシシの形態データと、日本の中世・近世のウマの形態データ収集を継続した。研究期間中にニホンイノシシとリュウキュウイノシシの現生骨格資料の計測データを蓄積したことにより、日本列島におけるイノシシのサイズ変異が明らかになった(研究代表者 : 本郷、連携研究者 : 姉崎・鵜澤担当)。東南アジア大陸部と島嶼部のイノシシ・ブタと琉球列島のイノシシ・ブタの系統的な関係について、ベトナムと台湾の研究者と協議したほか、東南アジア、琉球列島産の在来種ブタとイノシシの資料を収集し、mtDNA分析を行うとともに沖縄の遺跡出土のイノシシ属のaDNA分析を行った(研究分担者 : 石黒、研究協力者 : 高橋担当)。分析結果は論文として準備中である。ウマに関しては、東北地方および中部地方の中世および近世の遺跡から出土したウマ骨格の計測データを収集した。研究協力者 : 覚張は、骨に含まれるストロンチウム同位体比を用いてウマの原産地を同定するために分析を行い、成果を修士論文としてまとめた。
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