研究課題/領域番号 |
18300311
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研究機関 | 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
高妻 洋成 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 保存修復科学研究室長 (80234699)
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研究分担者 |
肥塚 隆保 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, センター長 (10099955)
降幡 順子 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (60372182)
脇谷 草一郎 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 特別研究員 (80416411)
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キーワード | 打音試験法 / アコースティックエミッション / 石造文化財 / 劣化診断技術 / 保存 / 修復 / 非破壊計測 / モニタリンダ |
研究概要 |
石造文化財の科学的な保存修復は、石造文化財をとりまく環境分析と石材の材質的特徴や劣化の現状を正確に診断することにより、劣化要因を解明し、それらに対する適切な保存修復処置を施さなければならない。さらに、保存修復処置後にも環境のモニタリングと石材の状態調査を実施し、メンテナンスを施す必要がある。これらの調査のうち、本研究で取り扱うのは、劣化診断技術の開発に関する研究であり、トンネルやコンクリート構造物などの欠陥を検査する際に用いられている打音試験法と微細な破壊が生じたときに発生するアコースティックエミッション(AE)を観測・解析するアコースティックエミッション法を、石造文化財の非破壊的な劣化診断技術として新たに応用するための開発研究をおこなうことを目的としている。 本年度は、平成19年度において高松塚古墳の石室を解体する際に、打音試験を実施し、石材の欠陥を検出したことならびに石室解体および石材運搬にアコースティックエミッション法を応用したモニタリングをおこなったことについてその成果を日本文化財科学会およびStudy of Environmental Conditions Surrounding Cultural Properties and Their Protective Measuresにて公表した。また、石造文化財用の打音試験装置の最終的な改良をおこない、強度に関するデータを定量化できるようにした。その結果、欠陥の検出という定性的な試験と強度に関する定量的な試験をおこなうことが可能となり、石造文化財への打音試験装置の実用化をおこなった。
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