研究課題
初年度に引き続き、都内複数の公園緑地での温度ロガーによる多点自動観測を実施した。また宮内庁の特別許可を得て、都内最大規模の面積を有する皇居緑地内(総面積230ha)とその周辺域において大規模な観測を実施した。その結果、以下のことが明らかになった。1.都内の主要な緑地における同時期の10分間隔での連続的な気温観測値を得た。これまでにない規模の観測によって、公園土地被覆要素と公園内気温低下量(クールアイランド強度)との相関関係についての、一般性の高い結果が得られた。2.単回帰分析により、公園内の土地被覆要素と緑地内外の気温差の関係を示した。特に、従来言われてきた気温差の樹林面積への依存性を実証するとともに、樹林面積と樹林率とを組み合わせた指標によってさらに精度良く気温差を推定できることが分かった。晴天日における緑地内の樹林面積とクールアイランド強度(周辺市街地との平均気温差)の関係について分析した。その結果、決定係数は、早朝で0.6と比較的高いが、日中は0.3と低くなる。そこで、樹林面積と樹林率を組み合わせた指標について、クールアイランド強度との関係を決定係数でみると、早朝で0.9、日中でも0.7となり、両者の相関の高いことが明らかとなった3.重回帰分析により、土地被覆の条件から気温差を推定する時刻別の式を得た。4.皇居緑地と周辺での夏季連続観測の結果、日中の南風による北側市街地への冷気移流は最大350m、夜間のにじみ出し現象による冷気流出は最大250mに達した。
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Geographical Reports of Tokyo Metropolitan University No.43
ページ: 83-89
Proceedings of the International Symposium on Sustainable Urban Environment 2007
ページ: 22-26
Proceedings of 17th Convention of the International Council of Academies of Engineering and Technological Sciences
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