研究課題
本研究は、わが国の金融実務の観点からも早期の発展と現場への応用が期待される高頻度データを用いた計量分析を行うことを目的としている。19年度は来る最終年度にむけ、各々が研究成果を国内外の学会等で積極的に報告した。具体的に列挙すれば渡部、大森がRealized Volatilityと日次リターンを同時に定式化する新たなSV-RVモデルの開発を行った論文(共著者:高橋慎)をスイスのジュネーブ大学、ハンガリー国立銀行で開催されたコンファレンス、国内では神戸大学で開催された2007年統計関連学会連合大会において発表を行い、内外の研究者より多くの有益なコメントを得た。上記神戸大学の大会の企画セッション「高頻度データを用いた計量ファイナンス分析」の中では渡部がマルコフスイッチングARFIMAXモデルを用いたRealized Volatilityの構造変化点の新たな推定法を、大屋がRealized Covarianceにマイクロストラクチャー・ノイズによるバイアスがないかどうかを検定する方法を提案(共著者:生方雅人)した。学会等で発表した成果はコメントを基に論文の改訂がすすめられ、すでに一部は査読付き国際ジャーナルに投稿されている。19年度は大森、渡部のMCMCを用いた非対称確率的ボラティリティ変動モデルの効率的な推定法を提案した論文が査読付き国際ジャーナルであるComputational Statistics & Data Analysisに掲載されているのをはじめ里吉、小林も査読付きジャーナルに論文が掲載された。20年度は最終年度となるがこの分野の著名な研究者4,5名を欧米より招聘し、大学関係者のみならず金融実務家を集めた大規模な国際コンファレンスを企画しており、各々がこのコンファレンスに向け更に研究を進める。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (14件) 図書 (1件)
Computational Statistics & Data Analysis 52・6
ページ: 2892-2910.
『社会・経済と統計科学』(『21世紀の統計科学』)東京大学出版会 印刷中
Handbook of Financial Time Series (eds T. G. Andersen, R. A. Davis, Jens-Peter Kreiss and T. Mikosch), Springer-Verlag, (In press)
大阪大学経済学 57・4(印刷中)
Japanese Economic Review in press
先物オプションレポート 大阪証券取引所 19・12
ページ: 1-6
経済研究 一橋大学 58
ページ: 352-373
『計量経済学ハンドブック』蓑谷千凰彦・縄田和満・和合肇編 朝倉書店
ページ: 592-620
Journal of Econometrics 140・2
ページ: 425-449
経済研究 一橋大学経済研究所 58・4
ページ: 335-351
蓑谷千凰彦・縄田和満・和合肇編『計量経済学ハンドブック』朝倉書店
ページ: 699-723
Statistics and Probability Letters 77・12
ページ: 1300-1311
ページ: 323-334