本課題では、ミズゴケ層の炭素同位体比を測定することによって、間接的に大気中の二酸化炭素濃度を求め、その変動と海水位変動との時間的前後関係を明らかにする。今年度は以下のことを行った。 1)泥炭コア試料の採取 今年度は、北アイルランド、スウェーデン、アルゼンチン、ポーランドにおいて試料採取を行った。北アイルランド、スウェーデンでは、Franzen博士、アルゼンチンにおいてはMcCulloch博士、ポーランドにおいてはSkrzypek博士の協力を得て行った。日本の場合と異なり、試料の乾燥処理だけを現地の施設を借用して行い、日本に持ち帰り、試料の分割、保存処理を行った。 2)炭素同位体測定の測定 前年度に検討したより厳密な分離法を適用し、リグニンとセルロースを単離する。単離したリグニンとセルロースについて、同位体比の分析を行った。同位体比プロファイルの特徴を検討した。 2)14C年代測定 一部の試料について、年代測定を行った。深さに対してほぼ直線的な年代増加を確認した。 3)研究成果の発表 中間的な成果であるが、確立した方法論について日本地球化学会で発表した。
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