研究分担者 |
佐野 到 近畿大学, 理工学部, 助教授 (10247950)
中口 譲 近畿大学, 理工学部, 助教授 (30188916)
保本 正芳 近畿大学, 理工学総合研究所, 助手 (40340765)
井口 信和 近畿大学, 理工学部, 助教授 (50351565)
溝渕 昭二 近畿大学, 理工学部, 講師 (30340756)
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研究概要 |
1996年以来近畿大学にて東大阪市上空の偏光放射観測を実施している。更に,世界規模の大気エアロゾル観測ネットワーク(NASA/AERONET)サイトとして,2000年に和歌山県白浜町,2001年に能登半島,2002年に東大阪市近畿大学キャンパスにAERONET標準放射計を設置した.得られた放射データから日本上空大気エアロゾルの特徴や季節変動を捕らえる事が出来た 東大阪市は文字通り大阪市の東側に隣接し,大阪湾と生駒山に挟まれた中小企業の街である.都市域エアロゾルの監視と解析のためのモデル地区のような街である.2003年3月には都市域大気粒子モニタリングを目指し浮遊粒子状物質(SPM)の測定を開始した.近畿大学キャンパスで実施している大気エアロゾルの放射観測とSPMの同期観測データの比較解析結果から,大気汚染物質とエアロゾル特性に明らかな相関の見られる事が解った.得られた結果を以下にまとめる. 1.両者の相関関係を調べるには,大気粒子を場合分けする必要がある. 2.比較的エアロゾル量の少ない場合と卓越した黄砂飛来時には,エアロゾルの光学的厚さとPMZ_<2.5>の間に強い線形相関がある. 3.2006年春は「黄砂の当たり年」といわれる程の大規模な黄砂が飛来した.卓越した黄砂現象時には,乾いた黄砂粒子が吸収性の高い人為起源物質を取り込んで成長している様子がうかがえる.
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