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2006 年度 実績報告書

北極雪氷コアから解読する気候・環境シグナルの標高依存性

研究課題

研究課題/領域番号 18310015
研究機関国立極地研究所

研究代表者

東 久美子  国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (80202620)

研究分担者 本山 秀明  国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (20210099)
瀬川 高弘  情報・システム研究機構・新領域融合研究センター, プロジェクト研究員 (90425835)
キーワード雪氷コア / 北極 / マウントローガン / スバールバル / 標高依存性
研究概要

1.雪氷コア自動融解分注装置の導入
本研究では、雪氷コアの表面に付着している汚染の影響を除去して雪氷コアからサンプルを採取するための方法として、雪氷コア自動融解分注装置を開発している。雪氷コア自動融解分注装置は化学分析用と生物分析用で若干使用が異なるため、第一段階としてはそれぞれ別個に開発を行う必要がある。平成18年度は生物分析用と化学分析用の両方について雪氷コア自動融解分注装置の基本的な部分についてスペックの検討を検討し、設計を行った。まず、融解ヘッドの材質、形状、サイズを検討・決定した上で、米国メイン大学に製作を依頼し、購入した。次に融解ヘッドに接続するベリスターポンプとフラクションコレクターの性能を検討し、型式を決定した。また、融解水が冷凍庫内で再凍結しないためのヒーターの検討、雪氷コア保持台の設計等を行った。導入した部品を組み立てて動作試験を行ったところ、基本的動作は問題ないことが分かった。生物用については、コアを交換することに融解水がヘッドに直接接触する部分の洗浄・殺菌が行えるように改良を加えた。
2.マウントローガンのキングコルで掘削した雪氷コアの解析
(1)年代決定
これまでに酸素同位体とイオンの分析が終了している115m深までについて、酸素同位体比、メタンスルフォン酸、硝酸、カルシウムの濃度の季節変動を利用して年層を数え、高時間分解能で年代決定を行った。年層を数えることによって得られた年代は、核実験による1963年のトリチウムのピーク及び1912年のKatmai火山による硫酸ピークを示準層として決定した年代と1〜2年の精度で一致し、年層を数える方法がキングコルで非常に有効であることが分かった。115m以深についても同様の方法で高精度・高時間分解能の年代決定を行うことができることが期待できる。
(2)気候変動情報の抽出
イオンデータを検討したところ、カルシウム濃度及びメタンスルフォン酸濃度がPDO(太平洋卜年振動)指数と相関している可能性が示唆された。標高4100mのキングコルがPDOの髭響を強く受けている可能性が指摘された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Seasonal and spatial variations of snow chemistry on Mount Logan, Yukon, Canada2006

    • 著者名/発表者名
      Kumiko Goto-Azuma
    • 雑誌名

      Annals of Glaciology 43

      ページ: 177-186

  • [雑誌論文] Stable isotope records from Mount Logan and Eclipse ice cores and nearby Jellybean Lake ; Water cycle of the North Pacific over 2000 years and over 5 vertical kilometers; sudden shifts and tropical connections2006

    • 著者名/発表者名
      David A. Fisher
    • 雑誌名

      Geographie Physique et Quatemaire 58, 2-3

      ページ: 337-352

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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