研究課題/領域番号 |
18310015
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
東 久美子 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (80202620)
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研究分担者 |
本山 秀明 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (20210099)
瀬川 高弘 情報・システム研究機構, 新領域融合研究センター, 特任研究員 (90425835)
三宅 隆之 国立極地研究所, 研究教育系, 特任研究員 (90390715)
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キーワード | 雪氷コア / 北極 / マウントローガン / スバールバル / 標高依存性 |
研究概要 |
1.雪氷コア自動融解装置の開発:アイスコアからコンタミネーションを回避しながら微生物や生物起源物質をサンプリングできる氷床コア融解装置の試作と改良を行い、ほぼ当初の目的を達成できる装置の開発に成功した。アイスコア表面からのコンタミネーションを除去するために、氷内部、氷内部と氷外部との中間部、および氷外部のサンプルをそれぞれ独立して採取するための融解装置の作成や、フィルン部分と氷部分にそれぞれ対応した2種類の融解装置の開発を行った。 2.マウントローガン雪氷コア・サンプルのイオン分析:昨年度に引き続き、マウントローガンの雪氷コアを約5cm間隔で切り出し、セラミックナイフで汚染除去を行った後、融解した。融解したサンプルのイオン分析を実施し、各イオンの季節変動のピーク数を数えることにより、コアの年代決定を行った。 3.標高依存性に関する考察:多点の雪氷コアのデータを比較した結果、標高の高い場所では20世紀前半の温暖化や1990年代からの温暖化が見られない傾向があった。 4.マウントローガン雪氷コア・サンプルの微生物分析:マウントローガンの雪氷コア・サンプルに対して、酸素同位体比の異なる3サンプル(高、低、中)に対して、16SrRNA遺伝子分析をおこなった結果、17-22種類のバクテリアが検出された。そのうち季節を通じて共通して供給されたバクテリアは2-6種であった。変性剤濃度勾配ゲル電気泳動解析を用いてバクテリアのバンドパターンの比較をおこなった結果、酸素同位体比の高い試料と中程度の試料とのバクテリアが類似しており、酸素同位体比が小さい試料のバクテリアとの類似は低かったことから、氷河に供給されるバクテリアは季節によって異なることがわかった。
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