研究課題
[1]COS分解細菌の分離三宅島、富士山、本学演習林をはじめ、各地の土壌から細菌を分離し、COS分解活性の有無について試験管培養を用いた簡便法によって調べた。その結果、分離された菌株数に対して75-90%という高い頻度の菌株において、30ppmCOSを分解する活性が保持されていることが確認され、一般に土壌にはCOS分解細菌が広く分布していることが明らかとなった。これらの菌株の数種類について、地表と大気間の微量ガスの移動を考察する場合に重要となる大気レベルの濃度のCOSに対しても分解活性が見られるかどうかについて調査を行なったところ、THI410株を含む複数の菌株で低濃度COSに対しても分解活性を示すことが確認された。[2]COS分解酵素Thiobacillus thioparus THIl15のCOSaseの遺伝子解析の結果をもとに、上記菌株の中から特に高いCOS分解活性を保持する菌株を選びサザンブロティングを行なったところ、いずれにおいてもCOSaseと相同性のある遺伝子が保持されていることが確認された。また、同様にCOSaseに対するポリクローナル抗体を用いて調べたところ、THI401株ではT.thioparus THI115と共通抗原性のあるタンパク質が含まれているが明らかとなった。ppmレベルならびに大気レベルの両方の濃度のCOSに対して分解活性を示すTHI401株の細胞を用いて、COS分解酵素を精製するための条件検討を行なった。Carbonic anhydraseなどの酵素には、基質類似化合物としてCOSに対しても触媒活性を示すことが知られている。しかし、これらの酵素にはエネルギー代謝とリンクした反応は知られていない。T.thioparus THI115はCOSをエネルギー源として利用することから、既知の酵素との関連性について主にKm、阻害剤の影響など、酵素化学的な性質を中心に解析を行なった。[3]COS分解細菌の検出とその分布気体を利用する細菌を、それを利用することに伴う生育を基にMPN値を求めることは困難である。そこで、従属栄養培地を用いて培養した細胞によるMPN法を工夫することで、いろいろな土壌におけるCOS分解微生物の計数を可能とした。
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