研究課題/領域番号 |
18310024
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
伊村 智 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (90221788)
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研究分担者 |
神田 啓史 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (70099935)
工藤 栄 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (40221931)
福井 学 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60305414)
長沼 毅 広島大学, 生物圏科学研究科, 助教授 (70263738)
井上 源喜 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (80245357)
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キーワード | 極域 / 湖沼 / 生態学 / 環境 / 堆積物 / 変動 / 生物多様性 |
研究概要 |
これまでの先行研究で主に南極域の湖沼から得られてきた資試料を用い、分析・解析を行った。また一部不足する部分は、第48次日本南極観測隊夏隊に参加した研究分担者(工藤)に現地調査を依頼した。サンプルは2007年4月に日本に持ち帰られ、19年度の研究試料として用いられる。 南極地域の湖沼の多様性とそれに応じた生物多様性を明らかにするため、主として珪藻類とバクテリアを対象に網羅的な種構成のリストアップを行った。特に珪藻類については、南極昭和基地周辺で最大の露岩域であるスカルブスネスの湖沼を対象に、ほぼ完全なリストアップを達成した。微生物については、強力な成層構造をもつ強塩湖であるすりばち池を対象として分析が進んでおり、18年度においては特にDMS呼吸機能を持つバクテリアについての報告がまとまった。他のグループについても分析は進行中である。(伊村、伴、長沼、福井) 特に躍層を挟んだ酸化還元電位の大きく異なる水域において、特殊な一次生産活性を持つバクテリアが見いだされつつあり、このバクテリアを起点とする特異なエネルギー循環経路についての研究が進行中である。18年度において多くの学会発表が行われたが、19年度においてはこれらの論文化が予定されている。(長沼、福井) 湖底堆積物については、昭和基地周辺のいくつかの淡水湖沼の堆積物コアにおける有機物分析から、その環境変動史が復元され論文として報告された。その結果、過去2300年の間に顕著な微生物群集構造の変動が起こっていることが示唆され、今後の課題として注目された。(伊村、井上) これまでに得られた湖沼環境・生物多様性に関するデータをデータベース化し、論文として発表すると共にウェブ上で公開する準備が進められた。19年度中の公開を目標として作業が進行中である。(工藤、神田、伊村)
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