研究課題
最終年度として、研究のとりまとめと情報公開を進めた。湖沼の基礎的な物理・化学的データの分析・公開は順調に進んでおり、南極湖沼環境の変動を把握する基礎データとして極めて重要なデータセットを提供している。データ取得は今後も継続し、長期環境モニタリングとして監視体制を整える計画である。生物多様性解析は順調に推移し、学会・論文での発表が行われた。多くのグループで生物相が明らかとなり、今後の多様な研究分野における基礎データがほぼ揃ったと言える。また本年度後半には、第51次南極地域観測隊によって昭和基地周辺地域における湖沼生態系における物質循環研究が実施された。詳細な解析は今後の課題として残されているが、本研究の目的の一つである南極湖沼生態系の構成と物質循環経路の全体像の解明に向けた、重要な観測となる。今後は、主に炭素と窒素の循環経路に重点を置いて解析を進める。将来予測のためには、過去の環境変遷史を知ることが不可欠である。湖底堆積物からの古環境復元研究においては、新たな湖沼における解析が論文として報告され、複数湖沼での基礎データが出そろった。国外研究者との共同研究体制も整い、主にベルギーとの共同論文も出版目前となっている。南極全体の環境変遷史の理解に対する、本研究計画による寄与も大きい。環境変動に対応する将来予測については着手するにとどまったため、補助金支給終了後の研究課題として継続して研究を進める予定である。
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http://polaris,nipr.ac.jp/~penguin/Terrestrial/regal.htm