研究概要 |
吉田文和はe-waste(電気電子機器廃棄物)の国内外の調査研究を行った。海外では中国,韓国,EUの実態調査と関係者に対する聞き取りを行い,関係学会に参加し学術報告を行った。E-waste問題の経済的背景としては,国内および国際的に所得格差とカスケード利用が存在すること,そしてインフォーマルセクターとダブルスタンダードにより,不適正処理が行われ,環境汚染が起きる。それに対する対策としては,多元的回収と集中処理が必要であり,この考えかたに基づき中国の家電リサイクル法(廃旧家電処理管理条例)が準備されている。 日本国内の家電リサイクル法の見直しにおいても,家電生産者に回収されない使用済み家電が約半数あると推定され,これが「見えないフロー」として問題となっている。この問題については、吉田文和・寺西俊一・山下英俊が共同で調査している。 以上については,Yoshida, "Japan-China Cyclical Society Comparison", Seminar on Experiences of Environmental Protection in Economic Development : China and Japan, Japan Research Center at Fudan University, Shanghai November 22-23, 2006,招請講演,Teranishi, Seminar at Korea Institute for International Economic Policy(KIEP), Seoul, November 29th, 2006:招請講演告(報告題目:How to Promote Environmental Cooperation Networks in Asian Region), Yoshida, "EPR and E-waste Recycling System in Japan and Korea", 2^<nd> International Eco-electronics Conference, December 7-8, 2006, Beijing, China.として報告している。 これらの中間報告として,吉田文和・小島道一他「急がれるe-wasteの適正処理」『アジア環境白書2006/07』東洋経済新報社,2006年10月,63-85頁を公表している。 また電子廃棄物が多く含まれる自動車のリサイクル問題については,外川健一が国内外の調査研究を続けている。外川健一「リサイクル産業の形成と雇用創出」(所収 下平尾 勲・伊東維年・柳井雅也編著『地域産業の再生と雇用・人材』日本評論社)2006年,81-102頁,外川健一「日本の自動車リサイクルシステムの変革とアジア・太平洋諸国の自動車リサイクルの状況」小島道一編『アジアにおける循環資源貿易』調査研究報告書,アジア経済研究所,2006年として公表している。
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