研究課題/領域番号 |
18310027
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鬼頭 秀一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40169892)
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研究分担者 |
森岡 正博 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (80192780)
松田 裕之 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (70190478)
池田 啓 兵庫県立大学, 環境科学研究所, 教授 (60322369)
井上 有一 京都精華大学, 人文学部, 教授 (50203261)
桑子 敏雄 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 教授 (30134422)
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キーワード | 生物多様性保全 / 自然再生 / 環境倫理学 / 理念 / 野生生物管理 / 保全生態学 / 合意形成 / 環境哲学 |
研究概要 |
三つの方向性で研究を遂行した。 1.重点のフィールドでの自然科学との融合を意識した人文社会科学的なインテンシブな調査。理論的研究と実証的な研究が有機的に結びつけられるような形の調査研究を展開するための予備調査を行った。(1)自然再生事業においては、鬼頭が、北海道釧路湿原、茨城県霞ヶ浦、埼玉県くぬぎ山を中心に行ったが、自然再生事業自体がいずれも困難な状況にあり、その解決に対して理念的研究の必要性が明らかになった。桑子が継続的に調査研究を行っている長野県志賀高原においては、自然科学的研究との融合の可能性が示唆された。(2)野生動物との関係においては、松田が鹿児島県屋久島を、池田が兵庫県豊岡を、丸山康司が青森県脇野沢を中心に調査研究を行っているが、屋久島においては理念を意識した人文社会科学的研究の必要性が明らかになってきたので来年度の中心的な課題とする予定である。脇野沢においては、保全生態学や野生生物管理学との協働の必要性が示された。豊岡においては、自然科学的研究と人文社会科学的研究の協働を現地で実践し、研究班会議で詳細に検討された。 2.フィールドの現場での現地研究会。志賀高原で小規模に、豊岡で大規模に行った。 3.研究集会による、理論の深化と、外の研究者との交流、取り込み。当初は研究の交流の輪を拡げていくことを想定していたが、従来までの研究や交流の蓄積が十分にあるので、研究メンバーの中で理論的な深化させて、その成果を書籍として早めに世に出し、その上でさらなる交流を計画する方が研究の進行上適切であることが明らかになった。メンバー間の理論的深化のための研究会を3回開くことになった。成果として出版する内容は現在編集中で、2007年内に出版する予定である。 このように、三つの方向の研究を有機的に連関して研究を進めることができた。
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